顕微鏡シリーズ~微分干渉顕微鏡(DIC)~
こんにちは。うちPです。
久々に
顕微鏡シリーズ!
忘れてはいませんよ?
前回は、位相差顕微鏡でした。
透明なサンプルを観察する方法として、もう一つ有名なのが
微分干渉顕微鏡(Differential interference contrast microscope; DIC)
です。
今回は、この微分干渉顕微鏡について。
一言でいえば
サンプルの圧みの違いを見ようとしている顕微鏡です。
目次
原理
光が進む速さは、空気中、水中、ガラス、それぞれで異なります。
もちろん、培養液中と細胞中でも速さは異なります。
わずかに異なる二か所を通過した光では、
細胞内を通過している距離が異なるため、
進む距離にずれが生じます。
aとbの光だけを見てみましょう。
aのほうが細胞内を通過している距離が短いです。
④の波の位置を見てみると、aのほうが先に進んでることがわかりますね。
aとbの波がカメラに到達した点で見てみると
位相が異なっています。
この、位相が異なった光を干渉させることで、
コントラストを付けています。
わずかにずれた(微分)光の干渉を利用する顕微鏡
ですね。
仕組み
プリズムを使って、光源から出た光を2つに分け、
サンプルを通過したのち、
プリズムを利用して、再び1つに合わせます。
サンプルを通過したときに位相差が生じていれば、
それらの光を合わせたときに
明るさとして確認することができます。
実際には、画像のの位置に偏光板をおいて、
光の向きを揃えています。(今回はややこしくなるのでカット)
利点、欠点
位相差観察よりも厚い試料の観察に適しており、
解像度も良く見えます。
サンプル内の厚みの違いを観察しているので、
サンプルが乗っているデッシュは厚みができるだけ均一でなければいけません。
なので、プラスチックのデッシュは観察に適しておらず、
ガラスのディッシュを使いうといいでしょう。
その点、位相差顕微鏡はプラスチックでいいので手軽ですね。
微分干渉顕微鏡では、特に特殊なレンズを使うことはありません。
なので、後の紹介する蛍光顕微鏡などと組合わせて利用することも可能です!
ということで、今回は微分干渉顕微鏡について書いてみました。
次はいつになることやら(笑)