息抜きと生物学

お勧めグッズ、バイオ系の内容など 博士課程学生の生態の一例です。

顕微鏡シリーズ~蛍光顕微鏡 3~

こんにちは。うちPです。

 

皆様、明けましておめでとうございます。

 

本年もよろしくお願いいたします。

 

もう半月も過ぎてしまっていますが(笑)

 

2022年1発目は

 

久々に顕微鏡シリーズ!

 

蛍光顕微鏡の3回目です。

 

今回は、「蛍光色素、蛍光タンパク質」についてです。

 

といいつつ、蛍光タンパク質であるGFPにフォーカスします!

 

GFP

世の中には便利なものがあります。

 

緑色蛍光タンパク質

 

通称GFP (Green Fluorescent Protein)です。

特定の波長の光を当てると、緑色の蛍光を発するタンパク質です。

生物系の学部に入学すると、ほぼ間違いなく耳にします。

 

こんな構造をしたタンパク質です。

真ん中の濃い緑の部分が発色に関連している部分です。

f:id:Uchi_P:20211024204955p:plain

(PyMoLというフリーソフトで表示しています。)(PBD: 1GFL)

 

 

GFPオワンクラゲというクラゲから発見されました。

発見した下村脩先生は、この功績により2008年にノーベル賞を受賞しています。


GFPをもとに、赤色の蛍光を発するRFPやmCherry、赤外のiRFP、黄色のYFP、シアンのCFPなど

様々な蛍光タンパク質が開発されています。

もちろん私も、めちゃくちゃお世話になっています。


タンパク質ですので、GFPがどういうアミノ酸配列なのかは分かっています。

もちろん、そのアミノ酸配列に対応したDNA配列(遺伝子)も分かっています。


そうです。

細胞にGFPの遺伝子を突っ込むと

GFPを作ってくれて、励起光を当てると細胞が光ります!!

 


例えば

タンパク質Aの遺伝子の後ろに

GFPの遺伝子をつなげて

細胞に導入することで、

細胞内でタンパク質Aのある場所が分かります。

f:id:Uchi_P:20211024202908p:plain

緑がある場所がタンパク質Aの場所です。

 

さらに、赤に光るRFPをタンパク質Bにつなげてみます。

赤の蛍光を観察すると、タンパク質Bの位置が分かります。

f:id:Uchi_P:20211024202927p:plain

 

 

緑と赤の画像を重ね合わせることで、

タンパク質B(赤)はタンパク質A(緑)と隣り合っていることが分かります。

f:id:Uchi_P:20211024202947p:plain

画像解析を行うことで、

緑の面積に対して、何パーセント程度赤が重なっているのか、

それぞれのタンパク質の位置関係を知ることができます。

 

 

さらに、この観察を生きた細胞で行うことができます!

なので、例えば、

 

細胞分裂が終わった直後はタンパク質AとBは一緒にはいないが、

20秒後には一緒にいるとか

その移り変わりを観察することができます。

 

時間と位置の関係性が分かるということですね!

 

よく「時空間的情報」などと言われます。

 

 

 

また、タンパク質なので、

 

昨今のゲノム編集技術等を利用して、GFPの遺伝子をマウスのゲノムに組み込むと

 

光るマウスを作ることができます。

 

これは蛍光色素ではできません。

 

まあ、動物実験についてはセンシティブな内容なのであまり突っ込まないようにしますね。

 

GFPマウス」などのワードで検索すると、画像が出てきます。

 

 

ということで、今回はGFPについて語ってみました。

 

蛍光色素については全く触れていませんが、これで蛍光顕微鏡の回は終了の予定です。

 

次回は「レンズの特性」。。。

 

これまた更新に時間がかかりそうです。。。

 

 

 

 

にほんブログ村 大学生日記ブログ 博士課程大学院生へ
にほんブログ村

にほんブログ村 大学生日記ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ
にほんブログ村


人気ブログランキング


科学・学び 人気記事 一覧 科学・学びブログ天紹介所

生物学・生物科学 人気記事 一覧 科学・学びブログ天紹介所