モルヌピラビルって何する薬?
こんにちは。うちPです。
本日(12/24)
新型コロナの飲み薬である「モルヌピラビル」の承認が了承されましたね。
以前の記事でも取り上げた
レムデシビルやアビガンなどと同じような仕組みで働く薬です。
以前の記事 (ウイルスの増え方とレムデシビル - 息抜きと生物学 )では
その作用については触れていなかったので、
今回は、どのようなことをする薬なのかを簡単に書いてみたと思います。
(毎度のことながら、厳密な内容ではないので、ご了承ください)
・目次
RNAウイルスの複製、転写
(前回と被りますが)
通常、生物は、
DNAを遺伝子として持っており、
DNAからDNAへの複製や、DNAからRNAへの転写を行っています。
RNAを遺伝子として持っており、
RNAからRNAを複製、転写できるような特殊な酵素が必要になります。
ウイルスは、下の図のようにRNA依存性RNAポリメラーゼによって
ウイルスのRNAが複製、転写されることで増幅します。
水色には薄いオレンジ、
緑にはマゼンタがそれぞれ対応していますね。
薬の仕組み
モルヌピラビルなどの薬は、下の様にRNA依存性RNAポリメラーゼの活動を阻害することで、RNAの合成をストップさせるものです。
ストップしている場所では、
この様になっています。
本来、薄いオレンジの相方は水色ですが、
ここでは、青いやつがくっついでいます。
この青いやつが 薬 です。
通常と違う、青いやつが合成中のRNAに入り込むため、
合成反応がストップしてしまう
という仕組みです。
ウイルスの遺伝子であるRNAが正しく合成されないため、
ウイルスは増えることができなくなってしまいます。
ということで、今回は、
新型コロナの飲み薬の仕組みについて書いてみました。
今年ももうわずか
まだまだ油断できない状況ですが、頑張っていきましょう!