DNA?遺伝子?染色体?ゲノム?どう違う??Part2
こんにちは。うちPです。
今回も
DNA、遺伝子、染色体、ゲノム
について。
前回は例だけで話を進めたので、
今回は多少生物学的な内容にしました。
DNA
DNAはデオキシリボ核酸(Deoxyribo Nulceic Acid)の略で、
化学物質の名前です。
安定で、壊れにくい物質なので、
ほとんどの生物は、身体の設計図として用いています。
(参照:セントラルドグマ - 息抜きと生物学)
ヒトやマウスなどの真核生物では細胞内の核にあります。
図1:DNA
DNAは簡単に図のような形の分子で、
塩基の部分(図1の緑丸)が4種類あります。
A:アデニン、T:チミン、G:グアニン、C:シトシン
です。
そして、リン酸と隣のDNAの5炭糖が結合して鎖を作っていきます(図2)。
(正確には5炭糖の3'ヒドロキシ基、左下の-OH)
図2:つながるDNA
1個でもDNA
10個つながってもDNA
1億個つながってもDNA
です。
遺伝子
DNAが鎖を作った時の、ATGCの並び順を基にタンパク質を作っていきます。
この時、タンパク質の設計図になる部分と、
設計図にならない部分があります。
図3:遺伝子
タンパク質Aの設計図になる部分が遺伝子A。
タンパク質Bの設計図になる部分が遺伝子B。
遺伝子Aと遺伝子Bの間の部分のDNAは、タンパク質の設計図になっていません。
そのような部分が「非遺伝子」です(図3の灰色矢印)。
染色体
複数の遺伝子が1本につながっており、その間は非遺伝子となっています。
このようなDNAは、単体で核内にあるわけではありません。
様々なタンパク質(ヒストンなど)と結合し、折りたたまれた状態で存在しています。
これが染色体です。
ヒトは、常染色体と呼ばれる22種類を各2本ずつ
(父親由来と母親由来)
そして、性別を決定する性染色体を1対(2本)持っています。
合計46本です。(23対46本)
性染色体はXとYの2種類あり、女性がXX、男性がXYを持っています。
(E. Shröck et al.,Science 273:494-497, 1996)
この図はヒトの染色体です。
生物種によって染色体の本数は異なります。
例えば、チンパンジーは24対48本、マウスは19対38本です。
染色体異常による先天的な障害は数多く知られており、
有名なものは、21番染色体が3本あるダウン症候群でしょうか。
ゲノム
ゲノム(genome)とは、遺伝子(gene)と全体を表す-omeから作られた言葉です。
分子生物学では、
染色体に含まれる
すべての遺伝情報
です。
なのでDNAではなく、RNAを利用しているものでは、
RNAの配列がゲノムになります。
2000年頭にはヒトゲノム計画が完了し、ヒトのほぼすべてのDNA配列が明らかになっています。
ということで、少し長めになりましたが
DNA、遺伝子、染色体、ゲノム
について書いてみました。