息抜きと生物学

お勧めグッズ、バイオ系の内容など 博士課程学生の生態の一例です。

DNA?遺伝子?染色体?ゲノム?どう違う??Part2

こんにちは。うちPです。

 

今回も

DNA、遺伝子、染色体、ゲノム

について。


前回は例だけで話を進めたので、

今回は多少生物学的な内容にしました。

 

 

DNA

DNAはデオキシリボ核酸Deoxyribo Nulceic Acid)の略で、

化学物質の名前です。

 

安定で、壊れにくい物質なので、

ほとんどの生物は、身体の設計図として用いています。

(参照:セントラルドグマ - 息抜きと生物学 

 

ヒトやマウスなどの真核生物では細胞内の核にあります。

 

f:id:Uchi_P:20200927185003p:plain

図1:DNA

 

DNAは簡単に図のような形の分子で、

塩基の部分(図1の緑丸)が4種類あります。

 

A:アデニン、T:チミン、G:グアニン、C:シトシン

 

です。

 

そして、リン酸と隣のDNAの5炭糖が結合して鎖を作っていきます(図2)。
(正確には5炭糖の3'ヒドロキシ基、左下の-OH)

f:id:Uchi_P:20200927184837p:plain

図2:つながるDNA


1個でもDNA

10個つながってもDNA

1億個つながってもDNA

です。

 

遺伝子

DNAが鎖を作った時の、ATGCの並び順を基にタンパク質を作っていきます。

 

この時、タンパク質の設計図になる部分と、

設計図にならない部分があります。

 

f:id:Uchi_P:20200927182255p:plain

図3:遺伝子

 

タンパク質Aの設計図になる部分が遺伝子A。

タンパク質Bの設計図になる部分が遺伝子B。

 

遺伝子Aと遺伝子Bの間の部分のDNAは、タンパク質の設計図になっていません。

そのような部分が「非遺伝子」です(図3の灰色矢印)。

 

染色体

複数の遺伝子が1本につながっており、その間は非遺伝子となっています。

このようなDNAは、単体で核内にあるわけではありません。

 

様々なタンパク質(ヒストンなど)と結合し、折りたたまれた状態で存在しています。

これが染色体です。

 

ヒトは、常染色体と呼ばれる22種類を各2本ずつ

(父親由来と母親由来)

そして、性別を決定する性染色体を1対(2本)持っています。

合計46本です。(23対46本)

 

性染色体はXとYの2種類あり、女性がXX、男性がXYを持っています。

 

f:id:Uchi_P:20200927182329j:plain

(E. Shröck et al.,Science 273:494-497, 1996)

この図はヒトの染色体です。


生物種によって染色体の本数は異なります。

例えば、チンパンジーは24対48本、マウスは19対38本です。


染色体異常による先天的な障害は数多く知られており、

有名なものは、21番染色体が3本あるダウン症候群でしょうか。

 

 

ゲノム

ゲノム(genome)とは、遺伝子(gene)と全体を表す-omeから作られた言葉です。

 

分子生物学では、

染色体に含まれる

 

すべての遺伝情報

 

です。

 

なのでDNAではなく、RNAを利用しているものでは、

RNAの配列がゲノムになります。

 

2000年頭にはヒトゲノム計画が完了し、ヒトのほぼすべてのDNA配列が明らかになっています。

 

 

 

ということで、少し長めになりましたが

DNA、遺伝子、染色体、ゲノム

について書いてみました。

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