目散るアルコール??
こんにちは。うちPです。
前々回のブログ(お酒の分解 - 息抜きと生物学 )でお酒に関する内容を書きました。
そこで、今回は「メタノール」を主役にしてみようと思います。
飲むと失明する危険があります。
その特性から、「目散るアルコール」とも言われたりしますね。
ということで、なぜメタノールを飲むと失明するのか、
その仕組みについて簡単に書いてみようと思います。
目で光を検知する
まずは、目についてです。
目で物を見るためには、目の細胞が光を検知しないといけません。
光を検知する細胞が働くには、レチノールという物質が重要です。
レチノール
またの名を
ビタミンA!
ビタミンAが目にいいのはこのためです。
また、ビタミンAが不足すると、光を検知しにくくなり、暗いところで目が見にくくなる等の症状が出ます。
いわゆる「とり目」ってやつです。
脱線したので、戻しますね。
レチノール(ビタミンA)は、化学的に言うとアルコールの一種です。
アルコール、アルコールの分解についての少し詳しい説明は、前々回のブログをご覧ください。
目の細胞は、レチノールを酸化して、「レチナール」に変えて使用します。
レチナールはアルデヒドの仲間です。
その後レチナールは、カルボン酸であるレチノイン酸になります。
変化を追うと
レチノール→レチナール(→レチノイン酸)
目の細胞は真ん中のレチナールを利用
つまり、化学的には
アルコール→アルデヒド→カルボン酸
ですね。
メタノールを飲むと
飲んだメタノールは、血液によって全身をめぐります。
その際に、目にも行きます。
目の細胞は、アルコールをアルデヒドにするので、
メタノールはアルデヒドである「ホルムアルデヒド」になります。
ホルムアルデヒドを水に溶かしたものが
「ホルマリン」です。
腐るのを防ぐために、生き物の標本とかが漬けられている液体です。
とても薄めたホルマリンは、消毒液としても使われますね。
つまり、濃度によっては人体にも影響があります。
そして、ホルムアルデヒドに次に発生する「ギ酸(蟻酸)」
文字通り、一部の蟻が毒として使用する物質です。
ギ酸が視神経に作用し、ひどいときには失明してしまうというわけです。
最後に
メタノールが危険ということと、脱線によりビタミンAについて書いてみました。
工業用のアルコールや消毒用アルコールにも、大量ではありませんが、メタノールが含まれている場合があります。
絶対に飲んではいけませんよ!