息抜きと生物学

お勧めグッズ、バイオ系の内容など 博士課程学生の生態の一例です。

お酒の分解

こんにちは。うちPです。


今回は、久々にバイオ系の内容です。

 

お酒の分解について書いてみようと思います。

 

 

アルコール


お酒の話の前に、アルコールについて高校化学までの知識で、簡単に書いてみます。

 

炭化水素の水素原子がヒドロキシ基(OH)に変わったものです。

このような構造を持つもののことをアルコールと呼んでいます。

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炭素(C)の数に応じて、個別の名前があります。

1つならメタノール、2つならエタノール、3つならプロパノールなどです。
(図はエタノールとプロパノール)

 

隣にある炭素の数によって第一級アルコールから第三級アルコールまであります。

メタノールエタノールは第一級しかないですね。

(図の右側は第二級のプロパノールです。)

 

第一級アルコールが酸化されるとアルデヒドと呼ばれるものになります。

第二級アルコールの場合は、ケトンになります。

第三級アルコールは酸化されにくいです。
(酸化されるときは一部のC-C結合が切れるとか切れないとか。高校化学範囲外です。)


そして、アルデヒドは酸化されるとカルボン酸になります。

 

 

お酒の分解

 

お酒に含まれているのはエタノールです。

 

お酒を飲んだ後、「アルコールが分解される。」

といいますが、この分解が上でいう酸化のことです。

 

体内でアルコールの分解が起こるときは、

 

アルコール→アルデヒド→カルボン酸

 

の流れで行われていきます。

 

お酒を飲むと、吸収されたエタノールは肝臓に運ばれ分解されます。

分解はアルコール脱水素酵素という酵素が行います。酵素についてはこちら

 


分解しきれなかったエタノールは、血液にのって全身に回ります。

エタノールが脳に到達すると酔った状態になります。

 

 

エタノールが分解されるとアセトアルデヒドになります。

これが、頭痛や吐き気などの不快感、紅潮などの原因です。

 

その後、アセトアルデヒドアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)によって、

カルボン酸である酢酸になり、

 

最終的には水と二酸化炭素になって排出されます。

  

 

エタノールアセトアルデヒド→酢酸 

 

 

という流れになりますね。

 

 

最後に

 前半は、高校の有機化学の授業みたいな内容になってしまいましたね。

 

ALDH2が不活性だったり、活性が低かったりする人が、

いわゆるお酒に弱い人です。 

 

酔いの状態と血中アルコール濃度について、KIRINのホームページに説明が載っているので、気になる方は見てみてください。

 

 

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