息抜きと生物学

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COVID-19は呼吸器系疾患だけじゃない?

こんにちは。うちPです。

 

バイオクイックニュースというのを購読しているのですが、

その中で面白そうな記事があったので紹介したいと思います。

 


新型コロナウイルスSARS-CoV-2は、本当は血管疾患かもしれない」

新型コロナウイルスSARS-CoV-2は、本当は血管疾患かもしれない ▶ BioQuick news

(特筆しない限り、参考文献、引用文献は、この記事になります。)

 

 

新型コロナウイルスSARS-CoV-2の感染症、COVID-19(Coronavirus disease 2019)は

肺炎を伴う、呼吸器系の症状という認識があると思います。

私もそう思っていました。

 

しかし、COVID-19の症状の一つに「血栓」があり、

血管感染症の可能性が出てきているとのこと。


以下、日本語版の記事からの引用です。

 

『2020年4月20日にThe Lancetのオンラインで発表された論文で、Mehra博士とそのチームは、SARS-CoV-2ウイルスが血管の内側を覆う内皮細胞に感染する可能性があることを発見した。
内皮細胞は心血管系を保護し、血液凝固から免疫反応まですべてに影響を与えるタンパク質を放出する。 ランセット紙では、科学者たちはCOVID-19を持つ人々の肺、心臓、腎臓、肝臓、腸の内皮細胞への損傷を示した。 このLancetの論文は、「COVID-19における内皮細胞感染と内皮炎(Endothelial Cell Infection and Endotheliitis in COVID-19.)」と題されている。』

 

ポイントとなる部分を太字にしました。


また、

3月に発表された論文によると、

武漢の病院(Jin Yin-tan Hospital and Tongji Hospital)で、コロナによって死亡した68人の死因を調べたところ、

 

心筋損傷と心不全が40%を占めていました。(Ruan, Q. et al, Intensive Care Med, 46(5), 846-848, 2020)

 

 


<呼吸器系の感染症じゃないの?>

 

呼吸器系の感染症というイメージが強いのに、なぜ心臓や血管系に症状が出ているのでしょうか?

 

COVID-19では、病状の進行に合わせて、3つのステージ(初期感染期、肺炎期、重症高炎症期)があるそうです。(Akhmerov A, Marban E, Circ Res, 126(10), 1443-1455)

 

おそらく肺炎期の印象が強いため、呼吸器系の感染症というイメージがあるのでしょう。

 

新型コロナウイルスは、喉や鼻などの細胞にあるACE2受容体から感染。

その後、肺に移動し、活動していくわけなのですが、

活動するためには、別のタンパク質が必要です。

 


前回のSARA-CoV-1では、この必要なタンパク質が肺にしかなかったようですが、

今回のSARS-CoV-2の活動に必要なタンパク質は、全身、特に内皮細胞にあるため、

身体中、どこでもウイルスが増殖できる可能性があるようです。

 

 

呼吸器系の基礎疾患以外でも、重症化する可能性がありそうですね。。。

 

現在では、血液疾患、心臓疾患といった方面からも

治療法の研究が行われているそうです。

 


できるだけ早い収束を願います。。。

 

 

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