息抜きと生物学

お勧めグッズ、バイオ系の内容など 博士課程学生の生態の一例です。

ウイルスの増え方とレムデシビル

こんにちは。うちPです。

 

時々出てくるバイオ系の話題です。

 

5月7日に、レムデシビルが厚生労働省に認可されましたね。

 

アビガンもそうですが、あるものを阻害しています。

 

今回は、何を阻害しているのか、ウイルスの増え方から話してみようと思います。

(阻害の作用機構については書いてません。)

 


以前、「ウイルスと細菌 どう違う?」にて

 

ウイルスは、外殻と遺伝子(DNAまたはRNA)からなっており

感染した生物(宿主)の細胞に遺伝子を入れ込み、宿主の細胞内の装置を使用して、増幅します。


と、説明しました。

 


ウイルスは現在、国際ウイルス分類委員会(International Committee on Taxonomy of Viruses: ICTV)によって、細かく分類されていますが、

(参考:https://talk.ictvonline.org/ictv-reports/ictv_online_report/

 

今回は、細かい分類分けはせず、「DNAウイルス」と「RNAウイルス」について

大まかな仕組みを解説していきます。

 

・目次

 

ウイルスの増え方

DNAウイルス


DNAウイルスは、宿主の細胞内にあるDNAポリメラーゼという酵素を使って増幅します。

DNAポリメラーゼはDNAを複製し、増やす酵素です。

 

つまり、ヒトのDNAポリメラーゼで増幅します。

 

 

RNAウイルス

 

では、RNAウイルスはというと、

 

DNAを増やす酵素がDNAポリメラーゼなので、RNAを増やすには

 

RNAポリメラーゼでしょ!


半分正解、半分間違いなのです。。。


RNAポリメラーゼは、DNAを読んで、RNAを合成する酵素なのです。


セントラルドグマを思い出してください。

 

RNAはDNAから転写されます。ヒトは、RNAからRNAを作るシステムを持っていないんです!

 

ならばどうするか?

 

RNAからRNAを作る酵素RNA依存性RNAポリメラーゼ)

作ってしまえばいい!

 

というわけです。


ヒトには、RNAからタンパク質を合成する、翻訳機能があるので、これを利用しています。


酵素はタンパク質の一種なので、ウイルスのRNAから、RNA依存性RNAポリメラーゼを作り、増幅するのです。

 

つまり、ヒトがもっていないRNA依存性RNAポリメラーゼで増幅します。

 

 

 

レムデシビル 

 

新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスはRNAウイルスであり


このRNA依存性RNAポリメラーゼの機能を阻害する薬が

 

「レムデシビル」や「アビガン」です。

 

 

というわけで、今回は大雑把にウイルスの増え方について書いてみました!

 

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