ウイルスと細菌 どう違う?
こんにちは。うちPです。
久々にバイオ系の話です。
細菌もウイルスも同じでしょ?っていう方!
そんなことありません!
ということで、今回は
1. 大きさ 2. 増え方・有害性 3. 薬
の3つの項目で、
細菌とウイルスの違いについて簡単に書いてみようと思います。
・目次
1. 大きさ
まずは、大きさについて。
ヒト細胞の直径は、種類にもよりますが、数~数十 μm程度です。
(μm:マイクロメートル、1 mmの1/1000が1 µmです。)
細菌は数 μm程度。光学顕微鏡で観察することが出来ます。
ウイルスは数十 nm程度です。細菌の約50分の1程度でしょうか。
非常に小さいため、電子顕微鏡でないと見えません。
スケール感はこんな感じです。
(真菌とは、カビとか酵母などです。)
2. 増え方・有害性
・細菌
細菌自体が細胞で、栄養さえあれば
自分たちで勝手に増えます。
人体に害を及ぼす細菌は、毒素を作ってヒトの細胞殺したり、物理的にヒトの細胞に侵入することで破壊したりします。
例えば、病原性大腸菌O157やサルモネラ菌、結核菌などでしょうか。
乳酸菌をはじめとする腸内細菌や納豆菌など、無害な菌もたくさんいます。
・ウイルス
ウイルスは、外殻と遺伝子(DNAまたはRNA)しかもっておらず、
自分で増えることはできません。
宿主(しゅくしゅ)の細胞に自身の遺伝子を入れ込み、
宿主の細胞内の装置を使って増幅します。
そして、宿主の細胞の外に出る際は、細胞の膜を破り、
次の細胞に感染していきます。
今回のコロナウイルスの他にも、インフルエンザウイルスやノロウイルス、あとは天然痘ウイルスなどもあります。
持っている遺伝子がDNAのものがDNAウイルス、RNAのものがRNAウイルスです。
「セントラルドグマ」のブログでの例えをするなら、RNAウイルスはコピーしか持っていないことになりますね。
コピーのコピーのコピーのコピーとかになると、文字がかすれてしまったり、見にくくなってしまったりしますよね?
RNAウイルスのRNAも少しずつ変わることがあります。これがウイルスの変異です。
現在は、あまり致死率は高くないですが、
変異をすると致死率が上がる可能性もあります。。。
できるだけ早い収束を祈るばかりですね。。。
3. 薬
細菌は、栄養を与え、発育条件を整えてあげれば、生育することが出来ます。
つまり、研究しやすい!(怒られそう笑)
細菌に対しては、増殖を抑える薬が開発されています。
いわゆる「抗生物質」「抗生剤」です。
一方、ウイルスはヒトの細胞を使って増えていきます。
したがって、ウイルスに感染している細胞にだけ効く薬を開発しなければいけません。
これがウイルスに効く薬の数が少ない主な理由です。
ちなみに、よく言われる「風邪」は90%以上がウイルスによるものです。
そのうちの10~15%は新型ではないコロナウイルのよるものだそうです。
(参考文献:第一三共ヘルスケアホームページ、国立感染症研究所ホームページ)
というわけで、細菌とウイルスは全く別物なんです!
ま、違いを知ったからと言って、普段の生活が何か変わるか?というとそんなことはないと思います。
ウイルスも細菌もきちんと予防しましょう!
手洗いうがい!換気!
バランスよく栄養を取るのも大事です!特にビタミンCは風邪予防にいいといわれていますね!
また、新型コロナウイルスに対しては、
一人一人が、「自分がウイルスを持っているかもしれない」という気持ち
で行動することが大切ですね。